当社は江戸時代からの太鼓胴の代表的産地である福島県南会津郡南会津町に工房をかまえる和太鼓専門メーカーです。
全国の劇団や楽器店・学校等幅広く当社太鼓を利用・取引して頂いています。また、当社の太鼓製品は手工、国内径木での胴づくりにこだわり、新製品を常に新しい発想で開発しています。
福島県会津地方は海抜700メートルを越える山地をもち、ブナ樹林帯に属しており、古くからブナ、トチ、ケヤキなどの樹木の宝庫です。ブナ・トチはロクロで挽いて椀類に、ケヤキ・トチ・センなどは刳ったり削ったりして木鉢、杓子、太鼓胴などに、杉・ヒノキな薄くはいでワッパなどの曲げ物に加工されました。
太鼓胴はケヤキ、セン、ミネバリ(ミズネ)、トチ、タモ(シオジ)、クリ、カツラなどが使われていますが、なかでもケヤキが最も太鼓胴としては良い胴になります。明治の中頃からは関東地方での大樹の入手が困難になり、浅草周辺でつくられる太鼓のほとんどは会津産の胴を使用するようになりました。
太鼓胴になるような大きな木は戦中から戦後にかけて激減しました。国内産の径木で大口径の太鼓を製作することもほぼ不可能になってきています。しかし川田太鼓工房では国内産の木を使用した太鼓胴づくりをし、大口径の太鼓は集成材の胴で製作しています。いまや希少価値となった大木は後世に伝えて環境を守っていきたいと私たちは願っています。